将棋アンテナ 棒銀くん
  • 田丸 雑学堂

    田丸 雑学堂 (田丸昇 九段)さんのTwitterデータ

    @NoboruTama0505
    将棋棋士の田丸昇(九段)です。約50年の棋士人生で得た経験や知識を基に、将棋界の情報や裏話、雑学などを書きます。私が関心を持つ将棋以外の分野をたまに題材にします。若い頃に撮った写真や所有している写真も載せます。コメントをお待ちしています。
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    • 開始した日 2023年9月17日
    • 住所 東京都
  • 現在の将棋会館は、将棋連盟副会長の大山康晴が全国各地を回って募金活動を精力的に展開したことで建設に至った。理事の米長邦雄はそんな大山を、「カツラの先生(米長の説によると大山の光頭はカツラで、下には黒い毛髪が生えているという)が頭に湯気を上げて頑張っている」と、ユーモラスに表現した。
  • 昔の将棋連盟総会では、理事会は棋士たちに普及協力金などを休憩の際に渡した。議事が行き詰まったときの緩和策でもあった。2011年に連盟が公益社団法人に認定されてからは、不労所得として廃止されている。何か支払いが生じたとしても、手渡しの現金払いではなくて銀行振り込みに一本化されている。
  • 現在の将棋会館は1976年4月に建設され、5月に名人戦(中原誠名人ー米長邦雄八段)第3局が新会館で行われた。立会人を初めて務めたのは升田幸三九段。2日目の封じ手開封で「僕がサインした封じ手の封筒は最初で最後。将来に『升田記念館』ができたら納めんならん」と言うと、両対局者は笑顔になった。
  • 「将棋連盟総会の記事についていくつか補足する」 藤井聡太八冠は在位中に将棋会館で対局する機会はないと書いたが、新会館に銀河戦の対局スタジオは併設(現会館にも)されるので、会館での対局はいずれ行われる。新会館での対局は来年から始まる。タイトル戦の対局も記念企画として行われると思う。
  • 新理事会の副会長の大山康晴は将棋会館の建設に慎重だったが、日本船舶振興会(現・日本財団)からの助成金増額などの好条件によって推進派に変わった。将棋連盟は1974年9月に会館建設を正式に決定。そして、大山は全国を回って募金活動を精力的に展開した。1976年4月には現在の将棋会館が建設された。
  • 1974年の臨時総会で大山康晴と升田幸三が理事会に総辞職を要求すると、会長の加藤治郎は「連盟が分裂する事態は避けたい。今後のことは新体制に一任する」と受け入れた。そして会長に塚田正夫、副会長に大山、中原誠らの新体制に変わった。ただ選挙を経なかったので「クーデター」と批判する声が出た。
  • 1974年7月に将棋連盟臨時総会が開かれ、現在の将棋会館の建設が議題になった。理事会(会長・加藤治郎)は推進する方針だったが、事務体制や資金調達などに不安を抱く棋士が多かった。両巨頭の大山康晴と升田幸三も同じ認識で一致して手を組み、建設計画の見直しと理事会の総辞職を強く要求したのだ。
  • 将棋連盟総会は13時に始まり、議長の手際よい進行で今年は16時前に閉会した。昔は議論がもつれて深夜に及んだこともあった。「下級棋士は黙れ」「将棋が強ければ何をやってもいいのか」と言い合う場面も生じた。理事会は紛糾すると休憩を入れ、棋士たちに封筒(協力金が在中)を渡してその場を治めた。
  • 今年の将棋連盟総会に藤井聡太八冠が初めて出席し、中央の最前列に座った。隣は永世名人の谷川浩司。藤井は質疑応答で、対局前の荷物検査に関連する遅刻規定について質問し、理事から棋士たちが並んで10時に遅れた事例はないと説明された。なお、藤井が八冠在位の期間は将棋会館で対局する機会はない。
  • 将棋連盟総会の新四段の自己紹介で高橋佑二郎は「師匠(加瀬純一)にまず感謝します。カラオケ好きの師匠のように自分もうまく歌いたい」と言うと、サザンオールスターズの「真夏の果実」を歌い出した。途中では手拍子を求め、歌い終わると棋士たちからアンコールの声が上がった。前代未聞の光景だった。
  • 将棋連盟総会の冒頭では、新四段の棋士(前年度は4人)が自己紹介で何か一言を述べる。宮嶋健太「多方面で活躍したい」、上野裕寿「兵庫県加古川市出身棋士は自分が7人目。忘れられないようにしたい」、山川泰熙「宮城県出身なので東北地方の普及に努めたい」。もう1人の高橋佑二郎はユニークだった。
  • 日本将棋連盟の通常総会が6月7日に都内ホールで開かれた。会長の羽生善治は東西の将棋会館建設に向けて、順調に進捗していると報告した。2023年度の決算も「藤井人気」を反映して全体に良かった。羽生は決算書を基に数字を並べて説明したが(例年は会計士が担当)、とても分かりやすくて簡潔だった。